建売住宅を購入して、後悔している方が結構多いです。建売住宅の最大のメリットは安く家を購入できるところにありますが、これからご紹介する失敗例のどれかを無視して購入すると、ほとんどの場合後悔します。
私はこれらの失敗例をしっかりお客様に伝えていたため、私から購入していただいたお客様で「後悔した・ふざけるな」などのクレームをもらったことはありません。少なくとも100点満点中85点ぐらいはいただいているのでしょう。
これから建売住宅を購入しようとしている方は、是非参考にしてみてください。
多くの人が犯している6つの失敗例とは
知恵袋などで建売住宅を購入して後悔している人の特徴をまとめます。
・安易に南道路の物件を購入したが、実は日当たりが悪い物件だった
・安易に私道の物件を購入し、トラブルに巻き込まれている
・建物を比較検討する物件数が少なすぎる。(グレードの違いが各会社でかなり異なる。)
・建物のグレードの良さに騙されて、辺鄙な土地を購入してしまう。売却しづらい
・近隣施設のリスクを理解せずに購入してしまうケース!
・青田買い(未完成時に契約)をしたが、営業マンとの意思疎通ができておらず、イメージと違った物件になってしまった。
これら7つの失敗例を無視して購入すると、必ずどっかのタイミングで後悔します。これらの失敗例を解説していきます。
安易に南道路の物件を購入したが、実は日当たりが悪い物件だった
多くのお客様は、日当たりが良いといわれている南道路の物件を購入したいという思いから、南道路の物件だけを紹介してくれと言われる方が居ります。(私は勝手ながら南道路信者と呼んでいます。)
確かに南道路の物件は、午前11時~午後3時まで日が当たり、日が当たる時間が他の方位と比べて、日があたる時間が長いです。ただしこれだけの理由で南道路の物件を購入すると、思っていた日当たりが取れずに、かえって資金的に必ず損します。
南道路で日当たりのよい基準は3つの条件を満たす必要があります。
・南側の間口が広い!最低6m以上
・南側に窓が2枚以上あること!(1枚だと南道路なのに日当たりが良くありません。)
・南側に高い建物が建築されていないこと!
これらの共通点は、別に南道路でもなくても、日当たりのよい物件は購入できるってことです。
例えば、北道路でも南側の間口が6m以上で南側に窓が2枚あり、南側の施設がお墓だったらどうでしょうか?お墓ビューになってしまうものの、日当たりのよさだったら最高ですよね!?さらに北道路+嫌悪施設(お墓)により、かなりお安く購入することができます。
しかしいくら南道路でも、間口が4.8m(2軒建物。3.64m)で窓が1枚の物件を購入した場合は、建物に日当たりがあたるスペースは窓1枚分のみしかならず、その割に物件価格は南道路ということで、土地相場の1.2倍程度で購入しなければなりません。
日当たりのよい物件=南道路というイメージはすぐに捨てましょう!
詳しくはこちらの記事でお伝えしております。
安易に私道の物件を購入し、トラブルに巻き込まれている
建売住宅を購入する上で一番気を付けてほしいところは、建物よりも土地がどの道路にどれだけ接しているかを注意深く見ることが重要です。ここを無視すると、場合によっては近隣とトラブルにより引っ越しをせざる負えない状況までに発展します。
特に公道に接している土地ではなく、私道に接している物件を購入する場合は注意が必要です。
私道は市や国が所有している公道とは異なり、道路を近隣住民が合わせて権利を持っている形態がほとんどです。
問題になるのは、私道所有者1人1人の認識の常識の違いにより、道路なのに自転車や車を止めっぱなしにして通行の妨げになったり、水道・ガスなどの埋設管の不具合があって掘削しなければいけない場合も、私道の所有者が1人以外常識がある方でも、たった1人が駄々をこねてしまえば道路を掘ることができず、不具合があるライフラインを直すことができません。
特に私道の持ち分を持っていない場合は、通行料を請求される場合があります。私道の物件は安くて魅力的ではありますが、購入する私道内のルールをわからずに購入すると、「こんなはずじゃなかった・・・」なってしまいます。(車が止められないなどのルールを独自に決めている指導もあります。役所にも申請していない場合がほとんど・・)
分譲地内の位置指定道路に接した物件も、上記のようなことが起こらないとは限りません。筆者としては、建物のグレードよりも道路の種類を重要視したほうが良いでしょう。
建物を比較検討する物件数が少なすぎる。(グレードの違いが各会社でかなり異なる。)
建売業者は各会社いろいろと工夫を凝らして建物を建築しております。例えばパワービルダーと言われている○○の良い家で有名な家は、独自の構造法で地震に強い耐震等級を最高ランクの3を取得していたり、同じグループ内の建物では、長期優良住宅として認定を得ている住宅もあります。
さらに構造や認定面だけではなく、外観のデザイン(サイディング・パワーボード・塗り壁(モルタルベルアート))の違いや、住宅設備の使用の違い、(床暖房標準装備・ユニットバスにテレビ付き・太陽光パネル標準装備)など・・
各社の企業努力で、間取りをはじめとして、設備・構造・認定などかなり工夫しております。
これらの建物の違いを自分の予算と条件で照らし合わせて選ばないと、後で「寒いから床暖房欲しかったね!」や逆に「太陽光パネルは管理コストがかかるからいらなかったな!」など・・・やっぱりあっちの家のほうが良かったなって後悔してしまうのではないのでしょうか?
物件を見すぎることで、逆に選びきれなくなって買えなくなるという面もありますが、最低限自分の立地の条件に合いそうな建売住宅は各社見ておいたほうが絶対にいいです。
よく聞く話だと、網戸がついていないから、引っ越し前に20万円以上余分にかかったというのです。もし、同じ価格で網戸がある物件を選んでいれば、この20万円は引っ越し代に使えますよね!!
自分の購入する条件と同期に合わせて、建物の設備仕様を比較することが重要です。
建物のグレードの良さに騙されて、辺鄙な土地を購入してしまう。将来売却しづらい
上記で建物の設備仕様を比較することの重要性をお伝えしましたが、建物の設備仕様にこだわりすぎている会社の建売は、土地が割高になっている傾向にあります。
よくあるパターンは、辺鄙な駅徒歩20分以上の分譲地で、あえて建物を高級仕様にし、分譲地の街並みを作ることで、そこの土地の相場よりも500万円~1,000万円以上釣り上げて販売する会社も存在します。
このケースに多いのは名前がブランド化している会社さんに多いような気がします。あえて駅から遠い土地を安く購入し、街並みを作って、高級住宅を提供することで、駅近以上の相場で販売するのです。
ブランド化されている建物なので、購入したときは満足しているのではないかと思います。しかし売却するときはブランド化された建物なんてほとんど関係ありません。なぜなら不動産売却は土地の立地がものをいう世界だからです。
仮に建築後10年ごろに売却をすると、一般客に売却しても建物の値段は、購入当時の40%~50%でしかつかず、辺鄙立地ゆえに一般客に売れず、業者の土地の買取であれば、建物代は0円になる上に、解体費まで請求されてしまいます。
やっぱり建売を購入する人は、土地の立地を重視して購入してほしいです。立地さえ良ければ、不動産売却でも買い手はつくし、自分で建て替えする時に建物にこだわればいいと思っているからです。
初めての購入で建物にこだわりたいのであれば、駅から遠く離れた(30分)の土地を相場で購入し、注文住宅を建築すればいいだけの話です。建物にこだわるのであれば、あえて企画された建売住宅を購入する必要がないと思います。
建売住宅の魅力は、土地の価格に少しだけお金を出せば、建物も購入ができる!!というのが最大のメリットですので、建物の使用にこだわりすぎて、割高な物件を購入しないようにしましょう。
近隣施設のリスクを理解せずに購入してしまうケース
良い建売購入は土地の立地と建物の条件が合うだけでは足りず、近隣施設を確認する必要があります。
仮に隣が駐車場であれば日当たりは良いですが、駐車場の所有者が新所有者になれば、将来建物が建ち、日が当たらない家に住み続けるリスクを考慮して購入しなければならないし、購入する物件の前面道路が大通り沿いで車の通行が激しい道路であれば、子供が事故を起こすケース・車の通行による振動・騒音にストレスがあるというリスクを考慮しなければなりません。(喘息持ちの人がいた場合は、排気ガスについても注意が必要です。)
また嫌悪施設と呼ばれる施設(お墓・寺・発電所・変電所・工場・飲食店・火葬場)などが近隣施設がある場合は同様に購入時にリスクを負う必要がある施設です。これらのリスクを事前に把握しないと、住み始めてからもストレスになるので注意が必要です。
これらの近隣施設のリスクを手っ取り早く知る方法は、他の時間帯にも物件を見に行くということです。
建売住宅の購入で失敗する人の特徴は、昼間に見た物件のイメージがずっと続くと思っている人が多く、いざ住んでみたら、昼は物件を見たイメージ通りだけど、夜になったら全くイメージと違っていたなどです。
真っ昼間であまり車が通らないと思っていた大通りでも、夜になれば帰宅ラッシュなどによって、爆発的な交通量になっているかもしれません。朝だってそうです。
隣に飲食店があれば、昼はランチで静かなお店でも、夜は居酒屋になっていれば、お酒が入った客の声が駄々漏れしているかもしれません。
物件には昼の顔と夜の顔があるってこと!
更に、隣が工場であれば休日は定休日で静かな家だとしても、平日になると営業による騒音でうるさい物件に早変わりします。住宅を購入する型は、休日にしか見ていないイメージで契約しがちですので、隣がお店であれば営業日の状況も把握して契約しましょう。
青田買い(未完成時に契約)をしたが、営業マンとの意思疎通ができておらず、イメージと違った物件になってしまった。
建売住宅の購入の仕方としては2パターンあります。
1つ目は建物が完成しているときに内覧をして契約する方法(これが95%以上です)これは購入する前に建物を見ることができるので、購入者と販売者のイメージのずれが少ないです。➡これが建売の一番のメリット!
2つ目の方法が条件付き売地として販売し、条件に記載されている建売業者の標準仕様で、建物の間取りを変更して建てる方法(自由設計)です。
自由設計は購入者側にある程度の自由が与えられるというメリットはあるものの、デメリットとしては販売者のイメージの相違や、プランの建物の大きさによっては、建売価格を超え、予算オーバーになりかねないという部分も併せ持ちます。
そしてよくある失敗は、「頼んだ追加工事の内容・プランなどが反映されていない!」です。これらの失敗する理由は、すべて口頭で打ち合わせした内容を書面に残さずに、話を進めているからです。
口頭のみで打ち合わせをしていて、問題がなければいいのですが、もし頼んだことが違っていたら「あの時~~言ったよね?、いいえ聞いてません?」の言った言わないになってしまいます。
住宅の伝達のミスは恐ろしいことに、工事が進めば進むほどに、できる変更工事が減っていきます。あなたが依頼したことを伝え忘れていた営業マンのせいで、依頼したときにはできた工事が、気づいた時にはできない工事になっている・・・
これが青田買いの注意すべき最大のポイントです。
私の場合、土地の段階で契約してもらったお客様とは、口頭での約束事はすべて禁止にする旨を契約書に記載しておりました。必ず書面にして残すのです。(図面などに行いたい希望の工事を記入・注文書を交わすなど・・)
こういう約束をしておくと、販売側からしてみれば、あの時何々言ったでしょと言われても、書面に残っていないのでやってません!と言えるし、逆に書面に記録が残っていれば、書面に通りに施工すべきと強く主張できるわけです。
書面に残すということは、お互いに緊張感が高まるということなので、担当営業マンもより緊張感をもって接客をしてくれます。契約が終わってもほったらかしってことはなくなるのです。
まとめ
・南道路の物件がすべて日当たりが良いとは限らない!大事なのは南側の間口と南側の建物有無(高さが低い)などで南道路の物件でなくても日当たりが良い
・安いからといって私道の物件を安易に購入するのは危険!私道負担の有無・私道の通行券があるかを絶対に確認すべき!
・建売業者によっては、建物のグレードが全く違うので、1社だけに決めず、自分の条件に合う他社の物件もしっかり見て検討すべき!
・土地が辺鄙な立地なのに、建物のグレードの高すぎる場合は、土地を割高に売っている可能性が高い!売却するときは土地の立地がすべて!建物はどんなにグレードが高くても評価されない・・売るに売れない
・近隣施設のリスクを手っ取り早く知るためには、違う時間帯に物件を見ること!隣が店舗であれば、平日と休日の騒音の違いは必ずチェック!
・土地から購入する場合は、担当営業マンとはすべて書面で記録を残そう!工事が進めば進むほどできない工事が増えるので、気が付いたらすでに時遅しって場合もある・・
建売住宅購入で後悔する人の6つの失敗例をご紹介させていただきましたがいかがだったでしょうか?マーカーで色付けした箇所については、特に後悔している方が多いポイントになります。
気に入った物件をすぐに契約するというのは、私は賛成派ではありますが、すぐに契約をするのではなく、1週間で上記の6つのポイントをしっかり確認し、問題なければ建売を購入してものすごく後悔することはないでしょう。
これから建売住宅を購入する人は、ぜひこれらの失敗例から学んで、いい物件を購入してください。この記事が役にたったらうれしいです。
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