土地売却を大きく3つに分けると、前面道路が公道に接している土地と、私道に接している土地と道路に接していない土地に分けることができます。
3つ目の道路に接していない土地は、建物が再建築不可なので、よっぽどのことが無い限り売れない土地です。
公道に接している土地についても、道路の方位によっては多少金額が変わりますが、近隣相場と大きく変わることはありません。
ところが、私道のみに接している土地の評価方法は、土地の相場以外にも道路の使用状況や、形状を見なければ判断することができないので、不動産屋でも難しい売却案件なのです。
今回はいち個人の建売デベロッパーの私が、私道に接している土地を売却する方向けに、売却価格の評価方法をお伝えいたします。
私道がしっかりと舗装されているか?
私道は、隣接地で権利を分割して持っているケースが多い為、私道の中には舗装費を出せずに、砂利道の私道も少なくありません。
建売デベロッパーの立場からすると、砂利道は評価減の対象です。
だって、新しく住宅を購入される方にとっても印象良くないでしょ?
なんで砂利なの?・・・って
じゃあ砂利道を舗装すればいいのかというと、公道と違い単純な話ではありません。
私道は近隣住民と権利を分割して持っているケースがほとんどの為、私道の舗装をするのにも許可が必要です。
更には私道を舗装するのには費用が掛かりますが、一般的には権利者で折半って形になるのですが、新築を建てるために舗装だけであれば、近隣住民はお金を出してくれないでしょう。
仮に業者が全額出す場合は、当然売却金額から舗装費を引いた額になりますので、結果的には評価減になります。
一般の方が購入するのであっても、砂利道の印象はよくないでしょう。評価減は覚悟する項目です。
私道の持分は持っているのか?
私道に接している土地だからといって、私道の持分を持っているかは限りません。
私道の持分を持っていなければ、私道内に接している土地としては弱い立場になってしまいます。
建売業者が購入する場合は、購入した土地に家を建てる為、建てた家を売却するためには、住宅ローンをお客様に利用できる土地である必要があります。
しかし私道の持分を持っていない土地になると、担保評価して低い土地になりますので、場合によっては物件価格分の住宅ローンが使えない。
イコール高く購入する事ができない土地になります。
こんな物件は要注意!住宅ローンの担保評価が低い物件の3つの特徴とは
業者買取以外でも、一般の方で住宅ローンを使用できないのはNGです。更に一般の方は私道の持分を持っていない土地を購入する恐怖は心理的マインドブロックは相当大きなものです。
建物を建てたらセットバックが必要なのか?
私道の中では、土地の境界から道路の中心線まで2mを取れていない土地もあります。
購入者が建物を建てる際は、道路中心線から2mになるようにセットバックが必要になりますので、土地面積が変わるかどうかを見ております。
セットバックが必要な場合は、いくら自分の土地だろうが、道路に提供しなければならないので、セットバックに要した面積を売却価格の評価の対象にはなりません。
ここ重要!私道に自転車や植栽など邪魔になるものを置いていないか
私が私道の土地をみて一番重要視するのは、私道に物が置かれているかどうかです。
私道の利用者のモラルを知る上で一番わかりやすい項目になるのですが、酷い私道だと、バイクや自転車が私道内に沢山おいている住宅が有ります。
もし公道から車の車庫入れをする際に、バイク等が沢山おいてある家の奥の土地だったらどうでしょうか?
車庫入れは大変そうだし、近隣住民にも難癖あるのかなって思ってしまいます。
要は私道を自分の土地だと思って、自転車を置いている近隣住民がいる土地だと、購入する方にとってもマイナスな印象にしかなりません。
よって我々建売業者は、利用状況によって、「安ければ売れるとか」「これは絶対に売れないから買取不可」と判断しているのです。
だから砂利道で私道が狭いのに、バイクなどの障害物がおいてあれば最悪ですね。
一方で舗装されている私道で、利用状況が良ければ、同じ私道に接している土地でも土地価格の1割~2割程度は評価額が変わってきます。
これは私道の権利を持っている全員の問題になるので、一人では解決できる問題はありませんので、あくまでもこういう見られ方をしていると思っていただければと思います。
まとめ
・私道の持分を持っていない土地は住宅ローンの対象にならない場合もあるので、評価減
・私道の道路中心と土地の境界線が2mあるか?セットバックが必要な土地はその分評価減
・一番重要!私道に物を置いている方がいると、評価が1割~2割ぐらい評価減の対象になる。
私道の物件ついては少なくともこの4つの項目は見ております。
ただし私道の物件を売却する一番大事な前提条件が有ります。
それは・・・
私道の持分も持っている方全員から掘削承諾が取れるかです。
これが取れなければ、売却するのがとてつもなく難しくなります。(建物を建てられないから)
この理由はこの記事が参考になりますので、一度読んでいただくことをお勧めしております。
私道トラブルを回避!絶対に確認しておきたい3つのチェックポイントと私道負担
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