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保留地購入前に知るべきメリットとデメリットを住宅営業マンが解説する。【土地無し客向け】

注文住宅を建てるための土地が、不動産屋に行っても見つからない場合は、土地区画整理事務所や役所が、定期的に入札をしている保留地を購入する手が有ります。

保留地を検討することができれば、土地探しの検討範囲が広がるので、土地探しを優位に進めることができます。

ただし保留地はいくら役所関係から購入といえ、通常の売買とは一味違います。

今回は土地探しに困っている人や保留地を検討している人に向けて、保留地のメリット・デメリットを住宅営業マンの私がお伝えさせていただきます。

そもそも保留地って何?

 

保留地を説明するためには、区画整理事業と密接してくる為、区画整理事業と合わせてお伝えさせていただきます。

区画整理事業とは、昔の道は、今みたいに真っすぐ道が繋がっていたわけではなく、曲がりくねってグチャグチャしているけもの道でした。

当然けもの道に接道している土地も、整形地ではなく土地の形も変形字型ばかりでした。

道がグネグネしている上に、土地の形も悪い(土地利用がしづらい)ことから、土地区画整理を行う事で、道路が整備され、土地利用がしやすいように、土地の形を整形地にすること10年~30年程度かけて区画整理を行っていきます。

数十年かけて区画整理が終わるとこんな感じになります。

道路を整備し、土地が整形地になっている事がわかると思います。グネグネしているけもの道と土地を整形地にすることで、土地に有効スペースができる為、公園を設ける事ができたりします。

上記の図を見てい頂くと、公園の隣に保留地と書かれております。

区画整理には時間もかかりますが、それ以上に莫大なお金がかかってしまいます。

そこで役所や土地区画整理事務所は、施工費を賄うために、A地・B地・C地のそれぞれを整形地にしてあげる代わりに、土地の面積を減らし、現金に替えるための保留地を設定します。

設定された保留地は一般の方や企業に売却されるのです。

余談ですが、区画整理される土地の面積を減らされる事を減歩といいますが、土地面積が減ったからといって土地の価値が減るわけではありません。

例え土地が広くても変形字型の土地と整形地であれば、整形地のほうが土地の価値としては評価されます。

 

保留地を購入する3つのメリット!

通常の土地を購入せずに、保留地を購入するメリットは購入費用が安いを中心に3つあります。

メリット1:住環境が非常に良い立地!

 

区画整理を行う立地としては、すでに道路が整備されている駅前ではなく、駅から少し離れた住宅街が対象になります。

よって周辺に商業用ビルがあるなどの騒がしい場所ではないので、子育てに非常に向いている立地になります。

伸び伸び子育てしたい人や、ゆっくり暮らしたい人にはお勧めな土地です。

 

メリット2:登記費用が掛からない。

 

保留地の特徴として、区画整理地内の土地を集めている土地の為、法務局に登記をすることができません。

保留地が登記できる時期としては、区画整理が終わるタイミング(換地)が終わってから順々に登記をすることができます。

登記ができないという事は、登録免許税は勿論、司法書士に支払う報酬も払う必要はありません。

登記ができないという事は、所有者を証明することができないと心配されるかもしれませんが、保留地は登記の代わりに、土地区画整理事務所が台帳として所有者の証明を保管しております。

 

メリット3:相場より安く購入ができ、仲介手数料がかからない。

 

保留地は登記ができない上に、不動産屋が販売している土地ではなく、役所が販売している土地です。

役所から購入する方法は入札が一般的になりますが、最低入札価格は利益をたっぷり含んだ価格ではなく、国土交通省で定めている路線価に基づいて、最低落札価格を決めているケースが多いです。

補足
*路線価とは道路に値段をつけて、道路価格に㎡をかけて土地価格を算出する方法。相続時に土地評価に使われるものであり、通常の販売価格の75%~85%程度になる。

入札者が少なければ、もしかすると相場以下で保留地を購入する事ができます。

更には不動産屋を通さず、役所や土地区画整理事務所から直接保留地を購入しているので、仲介手数料が不要になります。これはかなりお得な土地購入術になります。

 

保留地のデメリット

保留地は登記ができない事による、ローンの借り入れにデメリットが集中します。

 

住宅ローンが使用できる銀行が限られる。信金は基本使えない。

保留地は登記ができないことから、銀行でお金を借りる際に抵当権(担保権)を設定することができません。

抵当権が設定ができないという事は、銀行からしてみると無担保でローンを貸すことになります。

銀行の立場からしてみれば怖くて貸すのも躊躇してしまいます。

では保留地は銀行ローンが使えないのかというと、そんなことはありません。

ポイントは銀行の保証会社と、土地区画整理事務所や役所で協定を結んでいるかによります。

なぜなら、保留地の所有者を証明するためには、土地区画整理事務所の台帳が証明になります。

つまり買主である我々がローンが払えなくなってしまっても、土地区画整理事務所が銀行に名義変更ができる状況になれば、通常の銀行ローンと変わらない状態になります。

但しどこの銀行も保証会社と土地区画整理事務所とで協定を結んでいるわけではありません。

購入する保留地の土地区画整理事務所によっては、協定を結んでいない保証会社もあります。

銀行の審査の条件に、協定を結んでいる保留地であることが絶対条件になります。

 

保留地の立地によっては、担保評価が取れずにローンが借りられない。

 

土地区画整理事務所と保証会社がいくら提携を結んでいたところで、抵当権という登記には絶対に勝てません。

故に銀行は保留地に対してお金を貸す事はリスクが高いのです。

特に立地が悪い保留地はリスクが高いです。(売れないから)よってリスクの高い保留地のローンは物件価格を全額貸すのではなく、9割までだったり、優遇金利が減らされてしまい、通常よりも高い金利になるケースもあります。

 

保留地の物件は住環境が良いという事は、駅から遠い立地

 

保留地の物件は区画整理が行われている土地になるというお話をさせて頂きました。

区画整理が行われる土地というのは、駅などの開発で整備された場所ではなく、駅から離れた住宅街になります。

住宅街なので住環境は良好なのですが、反対に住環境があまりよくない駅周辺ではないってことです。

毎日仕事をしている方は通勤面で苦労するでしょう。

駅近物件で探しているのであれば、保留地はNGです。

まとめ

・保留地は区画整理事業を行うための現金調達のための売却する土地の事

・保留地のメリットは購入価格が安いと住環境が良好

・保留地のデメリットは登記ができないことからの銀行の制限と駅の距離が遠いって事

保留地のメリット・デメリットについてはいかがだったでしょうか?注文住宅を検討している人にはぜひオススメしたい土地になります。

但し登記ができないという事は、想像以上に大変です。購入する前に必ず借入れする銀行に必ず確認してください。

ローン解約になったらシャレにならないですからね・・・・

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最後まで読んでいただき誠にありがとうございます。

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