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隣の木の枝が土地境界線を越えたら切ってOK?隣人に伐採させる方法

検討物件の隣地の木の枝が、検討物件の敷地内に越境している物件を見たことがあると思います。

私も建売デベロッパーとして働いておりますが、商品化する物件の2割~3割程度の割合でお隣の木の枝が越境しております。*お隣に話して、私たちで木を切ることになりますが・・・

もしお隣の木の枝が土地境界線を越えている物件を購入する場合は、少し注意する必要があります。なぜなら木の枝の伐採は民法233条で定められているからです。

勝手に木の枝を切ってしまうと、近隣トラブルになりますので、木の切り方等を解説させて頂きます。

住宅営業マン秋
不動産業界に努めているとこの手のトラブルはしょっちゅうです。木の枝の撤去方法・民法について解説します。

民法233条で木の枝は勝手に切ることはできないが、木の根っこの場合は勝手にとっても良いとされている。

 

一見自分の家の敷地内に入り込んできている木の枝を勝手に切れると思いがちですが、木の枝については隣地の所有物になるので勝手に切ることはできません。

民法第233条
  1. 隣地の竹木の枝が境界線を越えるときは、その竹木の所有者に、その枝を切除させることができる。
  2. 隣地の竹木の根が境界線を越えるときは、その根を切り取ることができる。

出典:Wikipedia

 

つまり木の枝の越境解消をする為には、隣地の家の方に木の枝を切ってもらう必要があります。

もし隣地の家の方が高齢の方で木の枝が切れない場合は、木の枝をあなた自身で切って良いかの承諾を得る必要があります。

自分で木を切るのはおかしいと思うと思いますが、現実問題として木の枝が越境しているご自宅は、ほとんどの方がご高齢の人が多く、近隣の方が木の枝を切るのが難しい事が多いです。(私の経験値ですが)

もしあなた自身で木の枝を切る話をする際は、言った言わないの近隣トラブルに発展しないように必ずボイスレコーダーを用意しておきましょう。

枝を切った後に文句言われたらどうしようもないですからね・・・・(過去に私も経験しております。金銭を請求してくる場合が多いので、必ず言った言わないは避けてください。)

木の枝は自分自身で勝手に切ることはできないが、根っこが土地の境界線を越えて入ってきていた場合は、勝手に処理することができます。

つまり木の根っこの位置でその木の所有者が決まるってことです。木の枝が越境していたからといって木の所有者はあなたではありません。

 

木の枝だけではなく、果実も勝手にとってはダメ!裁判でも判例がある。

 

木の枝は切って切ってはいけませんが、その木の枝についている果実も勝手にとって食べることなども出来ません。

実際にこの手の問題は裁判になっており、「新潟地判昭和39年12月22日」の判決で果実も木の所有者の物とされております。

ちなみに木の枝から落ちた果実も木の所有者の物なので勝手に拾って食べるのもNGです。

 

隣地の木の枝であなたの所有物が傷をつけられたら、もちろん木の所有者である近隣の責任になる。

 

民法233条により、木の枝が土地境界線を越えていても、木の所有者は隣地のものになるので勝手に切ることができません。

つまり木の枝によってあなたに損害を与えた場合は、所有者である隣地の方の責任になるという事です。

もしあなたの駐車場部分に隣地の木の枝が越えて、車を傷つけてしまった場合は当然相手の責任になります。

もしそうなってしまった場合は、相手方は否定するでしょうから、木の枝に傷つけられた証拠の写真を収めておく必要があります。

木の枝で越境している隣地の2つの対策法

木の枝を超えている物件を購入する場合は、契約する前に隣地の方に挨拶をしておく。

木の枝が越境している物件は、一回木の枝を切ったとしてもまた伸びてくるので、お隣さんが木を切ってもいい方かどうかを契約する前に話をしておくのがベストです。

契約する前にお隣の人と話をするのは、近隣トラブルを避けるうえで一番オススメな方法です。

もし相手が非常識な人間であればその物件の購入を諦めればいいだけの話ですから・・・・

住宅購入して後悔する理由は、近隣トラブルが大半を占めます。

住宅購入は家の事だけを知るのではなく、物件周辺の環境と近隣住民を知ることが非常に大切なので、近隣挨拶は実践してみてください。

ちなみに不動産会社は近隣住民の人の事は、よっぽどのことが無い限り告知事項とされておりません。

 

もしお隣が木の枝を切ってくれない場合は、土地境界線のブロックを高くして木の枝が越境するのを防ぐのも有り

 

もしお隣さんが木の枝を切ってもらえない場合は、木の枝が出ている部分だけコンクリートブロック(CBブロック)を積んで木の枝を押し返すという手もあります。

少々ブロック積むのに数万円の費用が掛かりますが、いちいち木を切る必要もなくなります。

また木の枝を切ったとしても木の枝は伸びてきますので、木の枝が再び敷地内に入らないようにする為の予防策としても有効です。

 

どうしても枝が邪魔!!隣地所有者に枝を切らせる最終手段は少額訴訟を起こす。

 

民法233条にはあなたが勝手に木の枝を切るのはできませんが、木の枝を切ることを所有者に請求することができます。(竹木切除権)

つまり竹木切除権を利用し、少額訴訟を起こす方法になります。

少額訴訟について引用します。

  • 1回の期日で審理を終えて判決をすることを原則とする,特別な訴訟手続です。
  • 60万円以下の金銭の支払を求める場合に限り,利用することができます。
  • 原告の言い分が認められる場合でも,分割払,支払猶予,遅延損害金免除の判決がされることがあります。
  • 訴訟の途中で話合いにより解決することもできます(これを「和解」といいます。)。
  • 判決書又は和解の内容が記載された和解調書に基づき,強制執行を申し立てることができます(少額訴訟の判決や和解調書等については,判決等をした簡易裁判所においても金銭債権(給料,預金等)に対する強制執行(少額訴訟債権執行)を申し立てることができます。)。
  • 少額訴訟判決に対する不服申立ては,異議の申立てに限られます(控訴はできません。)。

 民事訴訟のうち,60万円以下の金銭の支払を求める訴えについて,原則として1回の審理で紛争解決を図る手続です。即時解決を目指すため,証拠書類や証人は,審理の日にその場ですぐに調べることができるものに限られます。法廷では,基本的には,裁判官と共に丸いテーブル(ラウンドテーブル)に着席する形式で,審理が進められます。

出典:裁判所

 

少額訴訟を起こす場合は、10万円単位で印紙代1,000円必要になります。60万円を求める場合は6,000円の費用が掛かります。

意外と訴訟を起こすには費用が掛かりません。安いんですね。

基本的にはこれについては現地の写真を見せれば明らかに越境していることがわかるので、竹木切除権は認められ、相手方が切ることを裁判所が認めてくれます。

ただどうしても弁護士がいないと不安だったりする場合は、弁護士保険に加入することをお勧めします。

1日100円程度の保険料で弁護士を味方につけることができます。

おすすめの弁護士保険はMIKATAです。

MIKATAのサービスとしては弁護士以外にも社労士、税理士とも電話相談ができるサービスがあったりします。もしあなたが近隣トラブル以外に労働条件などで揉めた場合でもこの保険を使用することができますので非常にお勧めです。

MIKATAに加入すると弁護士保険のカードをもらうことができます。

ここまで言えば気が付く方もいると思いますが、近隣住民に弁護士保険のカードを見せることで法的手段も取れるぞと脅すわけですね。(伐採お願いねって優しくいってあげてください。)

仮に戦うって言ったら、そのまま訴訟を起こせばいいだけです。

もしここまでしたくないのであれば、自分で伐採するからという木の枝を切らせてくれと許可を取る方法があります。

私が不動産の業務で行う場合のほとんどこのパターン!多くの場合は自分でやるのがめんどくさいと思っている人で、伐採については特に問題がないと思っている人たちばかりです。☜ただ自分ではやりたくないと思っている。

ここで自分たちでやるときの注意なのですが、必ず「覚書」をかわすようにしてください。

なぜかというと、あなたが伐採したせいで木が枯れたと訴えられた場合ですが、あなたは確実に負けます。

さらに口頭ベースで木を切っていいよという承諾をもらったとしても、後から言った言わないの問題が生じますので、書面で「木を伐採するが、そのせいで枯れても責任を負わないものとする」などの文言を入れるようにしましょう。

それで嫌がればお前が切れって話です。

ボイスレコーダーで取っておくのもよいでしょう。私が業務で使っているお勧めのボイスレコーダーはこちらです。

まとめ

隣の木の枝は切れる? まとめ

☑隣の木は民法233条により勝手に切ることはできない。木の根っこの場合は撤去可能

☑木の枝だけではなく、木の実も勝手にとることができない。

☑木を枝を隣人に撤去させる方法は少額訴訟を起こす!隣人から許可を得て自分で枝の伐採を行う場合は必ず覚書取得とボイスレコーダーで取っておく。

木の枝を切ることを、近隣の方にお願いするのは結構大変な作業です。

更にその木に特別な思い出があればなおさらです。

物件を見るポイントとして、お隣の木の枝が敷地内に入り込んでいるかどうかを確認してください。

住宅営業マン秋
一見見た感じ問題のない人でもいきなりパニックになっていってくる人もいます。書面で取っておくのが重要でしょう。

もし物件が気に入って、木の枝さえ何とかならば契約したいと思っているのであれば、仲介会社に木を切ってもらう交渉をしてもらうのも手です。

その結果次第で近隣の人の考え方があるある程度解りますからね。

すでに物件を購入している方でも、お隣さんの木の枝を勝手に切るのだけは近隣トラブルのもとになりますので、ひと声かけてから木の枝を切らせてもらいましょう。

 

 

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