住宅ローンの借り換えを検討している方は、借り換え時の金利の安さに目を引かれがちですが、住宅ローンの借り換えには銀行の手数料などを踏まえた諸経費がかかります。現在の住宅ローンと借り換え先のローンを比べる時に大切なの金利+諸経費を支払っても借り換え前のローンより総支払額が減るかで比較することです。
借り換え時の諸経費が高くて、金利は安いけど、現在のローンの総支払額より増えてしまえば、借り換えをすべきではないってことです。
借り換え時の手数料「諸経費」は借り換え先の銀行によって大きく変わってきます。今回は、借り換え時に必要な手数料の相場をご紹介させていただきます。
目次
借り換え時にかかる銀行の手数料は大きく4つある!
借り換えをする際の銀行の手数料についてですが、大きく分けて4つに分類されます。
・新規に借り入れするローンの保証料
・借入時の銀行手数料
・現在の住宅ローンの一括完済時の手数料
・借り換えローンの金銭消費貸借契約の契約書に貼る印紙代
これらを1つずつ解説していきます。
新規に借り入れするローンの保証料の相場の目安は100万円の借り入れに対し2万円の保証料がかかる。
借り換え先の銀行から新たに住宅ローンを借りるため、借り換え先の銀行の保証会社に対して、100万円あたり2万円程度の保証料を支払う必要があります。仮に2,000万円のローンを組んだ場合は、保証料が40万円程度必要になります。
保証料は各銀行によって基準が大きく異なる部分になります。一般的な相場は100万円の借り入れに対して2万円程度なのですが、この目安というのは、実は35年の住宅ローンを借り入れしたときに最も多く使われる保証料の目安です。
しかし借り換え先のローンの年数は、現在のローンの残りの支払期間までしか新たに借り入れができない特徴があるため、1年以内に借り換えをしない限り35年ローンを新たに借り換えすることはできず、したがって短い借入期間になります。
よって保証会社が銀行に対して保証する期間が短くなりますので、一般的には保証料は上記の目安よりも安くなる傾向にあります。
借り換えを行うということは、新たに銀行の審査を行うということになります。年収・勤続先などの属性によっては、保証料が高くなる可能性もあるので、審査結果が出た場合は保証料を絶対に確認しましょう。
保証料が現金で用意できない!って方もいるかと思います。そういう場合は、借り換え時に適用される金利に+0.2%の金利を上乗せすることで保証料を支払わなくても借り換えすることができます。
*総額にすると金利上乗せのほうが多く支払うことになります。
尚、ネット銀行では保証料がかからないケースが多いです。
借り換えする新規の銀行の事務手数料は、都市銀行・信用金庫では数万円に対して、ネット銀行は借入額×2.16%
借入時の保証料以外にも、銀行さんへの事務手数料を支払う必要があります。都市銀行や信用金庫で住宅ローンの借り換えを行う場合は、32,400円~6万程度の銀行が多いです。なぜこんなに安いかというと、上記の保証料をもらっているからです。
しかしネット銀行では、ローンの保証料が無料の銀行が多いため、保証料の代わりに借り入れ金×2.16%(消費税含む)がかかるのです。2000万円の借り入れを行った場合は43.2万円の事務手数料がかかります。
ネット銀行で保証料無料!!ってセールスポイントを目立たせているネット銀行がありますが、小さい文字で保証料を2.16%頂く旨が記載されていることが多いです。
これによりほとんどの銀行の手数料の数式はこうなります。
都市銀行の保証料+事務手数料=ネット銀行の事務手数料
当然すべての銀行がこうなるわけではありません。あなたの年収や勤め先の内容で、保証料なんて簡単に変わってしまいますので、借り換えを検討している銀行にシミュレーションしてもらう必要があるでしょう。
借り換えによる既存の住宅ローンの一括返済時にかかる事務手数料
住宅ローンの借り換えは、当然ですが現在借りている住宅ローンを一括返済することにあります。借り入れしている銀行によっては、一括返済を行うための事務手数料がかかることがあります。
例えば三井住友銀行で一括返済を行う場合は、21,600円(税込)がかかります。
一括返済の事務手数料は数万円程度かかる認識でいれば大丈夫です。
そしてこの後が重要だったりするのですが、現在の住宅ローンを借りる際に、保証会社に対して保証料を支払っていると、支払った保証料の一部の金額が還付されます。
この金額も大した金額が返ってくるわけではありませんが、一括返済時に行う事務手数料分に対しておつりが返ってくると思いますので、還付された保証料で一括返済時の事務手数料が払えれば、それだけで得した気分になると思います。
借り換え先の銀行との契約書に貼る印紙代は、2万か6万
借り換え先の銀行とローン契約(金銭消費貸借契約)を結ぶ必要があります。その際に貼る印紙代は、5,000万円以下の借り入れの場合は、2万円の印紙、5,000万円~1億円であれば6万円の印紙を貼る必要があります。
*原則、住宅ローンは1億以上は借りられません。1億以上は事業用ローンになります。
銀行の手数料以外にかかる諸経費は抵当権抹消・抵当権設定などの司法書士に支払う費用15万~30万程度
上記の銀行へ払う手数料以外にも、司法書士に支払う諸経費があります。司法書士に払う項目としては、抵当権抹消と抵当権設定と司法書士への報酬額の3つあります。
抵当権抹消にかかる費用は1万円程度
抵当権抹消とは、あなたの購入した土地・建物に現在の住宅ローンを借りている銀行さんの担保権が登記簿謄本上に抵当権が設定されております。この登記よって、現在あなたにローンを貸している銀行は、あなたの不動産を担保にしていることを証明しております。
ただこの抵当権がついていると、新たな借り換え先の銀行はあなたにお金を貸してくれません。そこで司法書士の先生にこの抵当権を抹消してもらう必要があります。費用は1万円程度を見ておけばOKです。
抵当権設定にかかる費用は借入金の額によるが大体5万~20万程度
抵当権設定とは、借り換え先の銀行があなたにお金を貸す場合、あなたの不動産を担保に入れる必要があります。
上記の抵当権を抹消した後に、借入先の銀行の担保権を登記することによって、借入先の銀行はあなたの不動産を担保にしてローンを融資してくれる流れになります。
抵当権設定費用は、あなたが借り入れする金額によって登録免許税が変わってくるため、登記費用に多少のバラつきがありますが、大体5万~20万以内に収まるケースがほとんどです。
司法書士に支払う報酬額は5万から多くても10万程度!高すぎる場合は値引き交渉すべき。
抵当権抹消・抵当権設定を行ってくれる司法書士に報酬を支払わなくてはなりません。その報酬額の相場は5万~10万円程度が相場です。
私たちが新規の住宅ローンで4,000万円の抵当権設定を司法書士に依頼する場合の報酬額の目安が大体5万ぐらいです。多くの借り換えの場合は、4,000万円も残っていないケースが大多数なので、もう少し報酬額が減るでしょう。
正直、報酬額が10万円でもかなり高い気がします。報酬額が高すぎると思った場合は、司法書士に報酬額の値引きをすることができますので、値引き交渉をしてみましょう。*登録免許税の部分は税金なので、値引きはできません。
まとめ
・借り換え先の銀行の支払う手数料は、「保証料・事務手数料・印紙代」の3つある。さらに現在の借入先の銀行には一括返済時の事務手数料も発生する。仮に2,000万円の借り換えをした時の銀行の手数料は50万~60万
・銀行以外にかかる諸経費は「抵当権抹消・抵当権設定・司法書士への報酬額」がある。3つの諸経費の総額は15万~30万程度
住宅ローンの借り換え時の手数料「諸経費」についてお伝えしましたがいかがだったでしょうか?借り換えするのにも50万円程度のお金が必要になるため、急に用意できないというお客様も多いと思います。
これらの費用が現在手元にない場合は、諸経費も合わせて借り換え先の銀行に借り入れするという手もあります。諸経費を借り入れすることで、諸経費分の費用に金利がかかってきますが、借り換え先の銀行の金利なんて0.4%~0.5%程度ですから、総額にしてもたかが知れています。
諸経費がなくて借り換えするのをためらっているのであれば、諸経費もまとめて借りる方法もあります。もし下記の記事の条件を満たしている借り入れであれば、すぐに借り入れしたほうがいいです!!
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