【PR】本サイトは記事内に広告が含まれている場合があります

おいおいIT重説って?不動産売買取引で考えると4つのデメリットでしかないだけど

IT重説が今年の10月から賃貸物件と法人取引のみで施行されるみたい。賃貸物件のIT重説はメリットのほうが多そうだけど、売買に関してはIT重説自体がはっきり言ってデメリットでしかないだけど・・

国土交通省は13日、「ITを活用した重要事項説明に係る社会実験に関する検証検討会」(座長:中川雅之氏・日本大学経済学部教授)の3回目となる会合を開き、賃貸取引に係るIT重説の今年10月めどの解禁などを盛り込んだとりまとめ(案)を発表した。

出典:http://www.re-port.net/news.php?ReportNumber=51250

賃貸だったらIT重説を行うのはいいと思う。そもそも売買と違って契約数が多いし、契約終了後に敷金礼金は銀行振り込みで支払えば、振込用紙の控えが領収書に不動産実務的にも問題はないです。

そして極端な話、賃貸で重説で説明されていない事項があっても、借主が所有するわけでもないし、借地借家法は基本的には借りる側のほうが保護されております。

失敗したとしても、引っ越し代と新しい住まいを見つける為の数十万円の損失で済む話だけど売買物件は違うよ!!

売買物件は不動産を所有するので、所有者責任も発生してきます。一度失敗してしまえば、最低でも数百万円の損失です。賃貸と損失する額が比べ物になりません。

今回は売買物件のIT重説のデメリットや課題を紹介していきたいと思います。

 

IT重説ってそもそも何?

重説(重要事項説明)とは物件の重要な事項(都市計画法・建物の構造・前面道路の種別・契約で重要な事ete・・)説明しなければ、宅建業法上で不動産契約ができないとされております。

IT重説はインターネットを利用し、テレビ電話や動画と音声の両方でお客様に重説を読むことです。メールで重説を送るだけでは説明義務を果たしたとは言えません。

例えば、スカイプでテレビ電話をしながらリアルタイムで不動産屋が重説を説明したり、今流行りのYOUTUBEであらかじめ撮影した重説をお客さんに見せた後、電話で質問等を受け付けるなどの方法があります。

参考までに・・https://www.athome.co.jp/help/it_zyusetu/

IT重説を行うメリットは2つ

・わざわざ不動産屋に行く必要もない!不動産屋に行く交通費の節約になる。

・業務の効率化(契約の多い賃貸業には理に適っている。)

最近のお部屋探しはお客さんが忙しい等の理由から、SUUMOなどのサイトだけで部屋を決められる方が多くなってきており、契約の為にわざわざ不動産屋に来ておりました。

ITで重説は上記のニーズに対応した新しい契約方法になります。不動産屋からしても説明できれば契約ができるしニーズに対応でき、更には業務の効率化にもなりますので、一石二鳥の制度です。

てか部屋を見なくて契約する人が増えているってことが知らなかったわ・・すげーな|д゚)

 

でも!

不動産売買ではデメリットしかない・・・その理由はこっから

不動産売買でIT重説がデメリットでしかない4つの理由

不動産売買は現地で説明すること非常に重要!なんでもデジタルって訳にはいかないよ。

不動産売買は賃貸みたいに物件を見ないで買うってことはまずありえません。何千万円もする買い物をあなたなら現地を見ないで購入しますか?

物件を購入するときに現地で調査することはいっぱいあります。

・道路の幅員、車の交通量

・土地の字型、間口、広さ、近隣施設

・嫌悪施設から臭いがするか?

・自分の土地境界から越境しているものはないか?ete・・・

あげればきりがないけど、現地でしかわからない事って沢山有るんだよね。それをグーグルマップのストリートビューで調べればOKなんて甘い世界じゃないんだよ。それだと確実に失敗してトラブルになる。

IT重説が行えるようになると、見ないで契約(見ず点)で契約する可能性が非常に高い。特に入居者がいる不動産投資は

こういうと、現地を見た後にIT重説をすればいいんじゃないって思う人があるかもしれないので、次の決定的なデメリットをお伝えします。

不動産契約の業務に支障がでる。やっぱり重説は相対で行うべき

不動産売買の実務として、重説の読み合わせと契約は同日に行います!仮にIT重説で読み合わせをした後に契約書も一緒に読み合わせをしたとします。

賃貸であればその場で記名と押印をすれば終わりですが、売買の場合はそうはいきません。

理由は2つです。

契約終了後の手付金の支払いの問題

1つ目の問題点は手付金の支払いの問題です。手付金は契約の記名押印が終わった段階で手付金を売主に渡します。不動産屋で重説をすればその場で現金を渡すことができますが、IT重説の場合はそうはいきません。

恐らく振り込みで手付金を売主に支払いますが、契約が終わる前に振り込みはしませんので、契約終了後に振り込みをします。そうすると契約終了後に時間差が生じてきてしまいます。

不動産契約の基本的考え方は同時履行です。もし契約終了後に銀行振り込みをしようとしたが、3時を過ぎて銀行から手付金を振り込みできなかった場合は売主が困ってしまいます。

現に私も契約終了後、手付金を振り込むといって2週間以上振り込みされなかったことが有りました。そして結局は解約するハメに・・

これって大分時間的にロスじゃありませんか?すべてのお客様がそうではないでしょうが、やっぱり一定数はいます。同時履行を守るためには、業者じゃない限りは現金で手付金を支払うのが合理的なのです。

IT重説の説明の仕方によってはトラブルが増える

2つ目の問題はトラブルが増えるってことです。

同じ重説でも相対で説明されるのと、テレビ画像で説明されるのではどちらが信憑性があるでしょうか?

当然相対で説明されたほうが信憑性はあるでしょうね!

また説明しているその場の空気間や説明のニュアンスで、説明する例え話を変えたり、より詳しく説明することでトラブルを未然に防ぐことができます。しかしIT重説でニュアンスや現場の空気感を感じるのはとても難しいと思います。

これがトラブルの原因になると私は考えております。

いくらこちらで説明したとしても・・・・

「相対で説明していないじゃないか!こっちは素人だぞ」なんて言われたら困ったもんです。

私自身も取引士として重説を読みます。重説を説明するときはお客様の理解度によって説明する方法などを変えていかなければならないと私は思います。

行政からのデータでも売買でIT重説が難しいことが証明されていて、賃貸のIT重説の取引事例が1,000件以上超えたのに対して、売買のIT重説の取引事例がたった2件しかない。

行政もわかっています。IT重説は賃貸だけにとどめておいて売買は相対で説明するのが無難ですね。

まとめ

IT重説が今年の10月から開始されるというニュースが衝撃的でしたので、記事を上げさせて頂きましたがいかがだってでしょうか?

インターネットは現代において革命的なものなので、これからどんどん発達していくでしょう。現に昨年はVR元年なんて言われて、住宅業界でさっそくVRの使用している会社が出てきております。

IT重説もどんどん発展していきますが、不動産売買についてはまだ相対で契約したほうがよさそうです。

この記事が役に立ったと思った方は、コメント等を頂ければ非常にうれしいしいです。

最後まで読んでいただき誠にありがとうございます。

こちらの記事が人気です。



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です