旗竿地いわゆる敷延(敷地延長)は通路部分はあるけど、広くてしかもお手頃な価格で購入できる為、広告からのお問い合わせの多い物件です。
ただインターネットで「旗竿地・後悔」と調べている方が結構多いです。
購入後の後悔は遅いので、注文住宅を建てる為の土地探しや、旗竿地の建売住宅を購入を考えている方は、旗竿地のメリット・デメリットを確認した上で購入をしてほしいと思います。
そこで現役住宅営業マン・また建売用地を購入している筆者が敷地延長のメリットデメリットをお伝えしていきたいと思います。
土地なし客必見!旗竿地の4つのメリット!
販売価格が他の住宅地よりかなり安い!
旗竿地のメリットといえば、皆様はこれをまず最初に思うのではないでしょうか?
私も旗竿地を購入するとした場合はまず価格の面のメリットを最初に思います。
大体手前の整形地と比べて、300万円~400万円ぐらいは安いのではないのでしょうか?
場所によっては手前と200万円ぐらいしか変わらないケースもあります。
それは土地面積が手前に比べて倍近くあることや、駅に近い立地だと手前と敷延は価格の差が無くなってくるようにも思えます。
ではなぜそこまで安くできるのかというと、建売業者や土地分譲会社は・・・
旗竿地の物件では
規定利益を取っていないから!
これに尽きます。
旗竿地は広い敷地ではありますが、風通しも悪く、日当たりも悪いため安くしなければ売れない物件になります。
そのため敷地延長の物件の規定利益に届いていない部分を手前の区画や住宅に利益を乗せるのです。
例えば、手前と旗竿地の2棟現場で、規定利益が1棟400万円だったとする場合は、敷地延長の利益を100万円~200万円にして、手前の住宅に600万円~800万円の利益を乗せるです。
そうすると売りずらい敷地延長が手前と比べて安く感じるので、敷地延長を早く売却して、人気のある手前を後から売ればいいのです。
では手前の土地より旗竿地のほうが広いのになぜ安いのでしょうか?
不動産の価値は道路と土地の間口の広さで決まる。
不動産の価値というのは、建築基準法上の道路に土地がどれだけ接するかの間口によって決まります。
例えば間口2mの100坪の旗竿地と、間口6mの50坪の土地に駐車場を作った場合!
旗竿地100坪のほうは間口2mの通路から車を入れて、奥の広い駐車場に駐車をしますが、もしすでに駐車している人が道路に出ようする際に駐車場に入ってきた車がいた場合は、どちらかが道を譲らない場合は通り抜けをすることはできません。
対して、間口6mの50坪は土地は100坪の土地の半分しかありませんが、6mも道に接しているので、車の出入りの際に道を譲らなくても十分に通行ができます。
この2つの土地のどっちが駐車場としての機能を果たしているかというと後者の50坪の土地とは言わざる言えません。
要は土地と道の接している間口が広ければ広いほど、その土地の利用価値が高くなるのでそれによって不動産の価格がきまるのです。
余談ですが、土地の間口が2m以下の土地は再建築不可といいまして、建物が建てられないと建築基準法で決められております。
こうなってしまうと土地に価値はないものだと思ってください。
土地の間口は狭いが敷地が広いので大きい建物を建られる。
注文住宅を検討している方で、エリアによって希望している建物が土地の広さや道路斜線の影響で建てられないケースが出てきます。
そんなときに出番なのが旗竿地です。
旗竿地は敷地が広く、路地上スペースを車庫として利用できるので、車庫を作らずに敷地のすべてを住居スペースのみの建物に敷地に使用することができます。
また建築確認を申請するときに、通路部分も敷地面積に含まれるため容積率や建蔽率も通路部分込みの面積で建築することができます。(通路の長さや間口によっては異なります。)
さらに車庫スペースのメリットとして、都内や都内に近い地方などの立地によっては車庫1台分しか設けられておりませんが、旗竿地の場合は通路部分が12m以上あれば車を2台止めることができます。
車2台持っている方は検討すべき物件かもしれません。
周りに囲まれている為、プライバシー保護に適した物件
旗竿地は道路に接道している通路部分以外は他の建物に囲まれております。
道路の通行人が旗竿地の物件を見ようとしても他の建物が邪魔をしてなかなか見えません。
生活の様子や、洗濯物を見られたくないというお客様も多いです。
他人の視線が気になる方はぜひ敷地延長の物件を購入することをお勧めします。
余談ですが、他人の視線が気になる方が絶対購入してはいけない物件は、角地の物件になります。
角地の物件は道路に2面接道していることで日当たりを確保できるため、窓を多くするプランが多いです。
窓が多いという事は、カーテンをしない限り道路から丸見えです。
カーテンをしていたとしても住んでいるかが気になっちゃうと思いますので、角地の物件に手を出さないほうが無難です。
ここまでで旗竿地のメリットを3つ上げましたが、今度はデメリットをお伝えします。
旗竿地を購入して大丈夫?5つのデメリット
日当たりと風通しが非常に悪い
日当たりや風通しが悪いのは、道に接道している部分が通路部分しかなく、あとは建物に囲まれて日当たりが周りの建物に遮られてしまっているからです。
これは旗竿地の運命といっても仕方ないのですが、ある程度の日当たりを確保するためには南側の建物に注目ください!
2m~3mぐらいスペースがあれば十分に日当たりを確保することができます。
また注文住宅の方は、LDKなど家族の集まる場所にトップライト(明り取り)を付けることや場合によっては2階LDKをオススメします。
土地の間口が2.7m以上ないと自転車の通行が厳しい
一般的に建売住宅で販売されている旗竿地の間口は2.5m~2.7mになります。
ただ筆者は2.7m以上の間口のある旗竿地をお勧めします。
建売や土地などで説明する間口の寸法というのは、境界と境界をつないだ寸法になりますが、実際の通行で使用できる有効の寸法とは違います。
2.7mといっても実際はブロックフェンスがつまれます。
ブロックの厚みは10㎝ですので、左右にブロックを積んでしまえば実際の有効間口は2.5mになります。
通路部分に普通車を止めた場合は大体2m~2.1mは取られますので、自転車が通れるスペースは40㎝になります。
40㎝あれば自転車を車にぶつけずに通ることは可能ですが、それ以下の寸法だと自転車が車にぶつかり車に傷がつくことになってしまいます。
最低でも2.7m以上の間口の敷地延長を購入することをオススメします。
ただ都内の物件では2.5mでも広いほうなので、そこは立地と要相談する必要がありそうです。
土地購入の場合は注意!ライフライン工事・解体工事が高い
ライフラインの上下水・ガス管工事の金額は路地から建物建築予定の敷地に行くまでの通路部分の長さによって決まります。
道路すぐの住宅であれば引き込みする距離が短い為、40万~50万円で済みますが、旗竿地の場合は距離が長いため、70万~80万円します。事前に水道屋等に見積もりを取る事をお勧めします。
一番気を付けて頂きたいのは
解体工事費用!
もしあなたが建物付きの旗竿地を購入した時に一番気を付けなければならないのが、建物の解体費です。
解体工事は通常重機を使って建物を壊すのですが、旗竿地の場合はその通路に重機が入らないケースが多いです。
もし重機が入らない場合は、小さい機械を入れるか、最悪は手壊しになってしまいます。
そうすると解体費が倍近くになる可能性があるため、購入する前に余裕があれば解体費を確認しておきましょう。
旗竿地は一度購入したら最後!売るにも全く売れない!
旗竿地を購入して後悔するのでしょうか?それは購入したら売るにも全く売れない事が関係してきます。
旗竿地は購入するときは広くて安いので購入しやすいのですが、売却するときは全く持って売れません。
旗竿地は上記でも説明した通り、不動産の価値としてはかなり低いです。
購入して資産価値がダダ下がりするのも旗竿地の特徴でもあります。
実際旗竿地を業務で買取したことがありますが、買取だと相場の4割~5割でないと業者買取はしないでしょうね。
旗竿地で購入した物件が買ったときより高く売れるっていうのはあり得ないのです。
旗竿地を購入して後悔したくないのであれば!
ここに永住できるか!?
それが一番の結論を出す最大の問になります。
整形地と比べて近隣住民が多くなる。近隣トラブルもその分を増える可能性が高い。
旗竿地は整形地と比べて土地も広く、建物を建てる敷地面積の隣地以外にも通路部分にも隣地がいるため、一般の整形地の方に比べて敷地境界が多く、近隣住民とも多くかかわることになります。
ここで起きるトラブルは売却時による境界立ち合いの不調及び近隣住民との境界の位置でもめる可能性が高くなります。
仮に近隣住民間でもめなかったとしても、近隣関係者が多いので、測量時の費用が整形地に比べて高くなります。
まとめ
長くなってしまいましたが、旗竿地のメリットとデメリットを解りやすくお伝えさせていただいたつもりですが、いかがだったでしょうか?
旗竿地は安く購入が出来き、広い土地に住めることがメリットではありますが、デメリットとして、資産価値がすぐに下がってしまい売るにも売れない状況に陥ります。
旗竿地を購入して後悔しないためにも、日当たりや風通しを確認しておくのはもちろんですが、路地の間口の広さ、そして永住できる街かどうかを確認してみてくださいね。
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