最近建売住宅でも、建てた家を売るのではなく、建築する業者を指定する条件が付いている建築条件付き売地で売り出ししている物件が増えてきました。
条件付き売地と聞くとものすごく難しく感じるかと思いますが、立ち位置で言うと、立ててから売る(建売)ではなく、条件付き売地は売ってから立てる(売建)に該当します。
売ってから建てることで、プランを決めてから立てられるという最大のメリットがあります。建売の場合はこれができません。
ただ条件付き売地は建売に比べて割高になるという弱点があります。
あんまり変えていないのに、もともとの建売価格よりも10%~20%総額が高くなったっていうことも珍しくありません。これでは損して失敗したと思わざる思えません。
よって知恵袋などのネット上の情報をみると、建築条件付き売地のイメージはよくありません。
今回は建築条件付きで家を建てるメリットとデメリットについて元建売業者であった私が解説します。
目次
なんで建売業者は条件付き売地で販売するの?
建売業者はなぜ、建売でなく建築条件付き売地売り出しをするのでしょうか?これには2つの理由があります。
1つ目の理由は、すでにできている建売ではなく、1から間取りを自由にして家を建てたい(注文住宅)思考の方が増えてきたからです。
購入者が減少により、昔みたいに建てたら売れるという時代は終わりを迎えつつあります。現に2019年に総世帯数と住宅供給数が逆転する2019年問題という業界内で話題の問題があります。
2つ目の理由が主な理由ですが、住宅の販売スケジュールを早めるためです。これだけではわかりずらいので簡単に解説します。
建売住宅の場合は、建物の建築確認申請の許可を取らなければ、建売住宅として販売することができず、建築確認の申請準備+役所の申請期間の約1ヵ月~2ヵ月程度販売時間を待たなければなりません。
多くの不動産屋は購入した土地はお金を借りているわけですから、販売しようがしないが、利息がかかってしまいます。これではもったいないですよね?この建築確認申請の時期を無視して販売できるのが建築条件付き売地です。(抜け道ってわけ)
建築条件付き売地として販売すれば宅建業法上違反ではありませんから、多くの不動産屋は建築条件付き売地で売り出しをしているのです。(建築屋の都合でできたといっても過言ではない)
建築条件付き売地を購入するメリット4選
土地・建物が一括決済ができる・つなぎ融資をを使用せずに済む。
建築条件付き売地の良いところは、土地・建物の決済が一括で行えるということです。つまり最初っから住宅ローンが使用できます。(つなぎ融資を使用しなくてもOK)
注文住宅で建築する場合は、土地を最初に購入し、建物が完成していない土地には住宅ローンが使用できません。建物完成までは、つなぎ融資を利用しなければいけないのですが、2%前後の金利+手数料十数万円を負担せざる得ないのです。
一方で、建築条件付き売地は、建物が完成した際に土地を引き渡しするので、1%以下の住宅ローンを使用することができます。
実務は建売住宅と同じなので、注文住宅よりも諸経費がかからないというのがメリットです。
ハウスメーカーの建築条件付き売地を購入した場合は、建物着工時に着手金・中間金などはつなぎ融資を利用する必要があります。(建売業者の場合は心配なし)
建てるハウスメーカーと要相談・交渉になります。
建物完成前に土地を所有しないので税金も発生しない
注文住宅で注意しなければならないのが、建物完成前に土地を所有することで発生する固定資産税です。
固定資産税が発生するのはその年の1月1日に登記されている所有者です。
注文住宅は建物が建築される前に所有する必要があるので、年をまたいで建築すると住んでいないのに固定資産税がかかります。
しかも更地なので減税措置の1/6が使えません。つまり6倍です。
建築条件付き売地であれば、建物が完成するまでは業者が所有しておりますから、住んでいないのに固定資産税が発生する事はありません。
さらに年をまたいでも1月1日現在には建物が建っているので固定資産税の減税措置が使えるのです。
条件無しの土地に比べて割安に購入出来き、立地も良い。
一般の方が土地を探すとしても相場より割高な物件か、条件がすごく悪い(旗竿地・間口狭い)などの物件しか残っておらず、注文住宅を建てる人の多くは土地を妥協して建築している現実があります。
建売業者やハウスメーカーなどの不動産屋が購入する土地の多くは、市場に出る未公開物件の時に購入している土地なので、好立地・好条件の物件が多いです。
建築条件をつけることで、好立地なプランを自由にできるのは建築条件付き売地のメリットだといえます。
建物の間取りのプランを自由に設計することができる。(自由設計)
建売住宅の場合は、建築確認の許可を取っているため、建物が建築しておらず更地の状態だったとしても、間取り変更することができません。
建築確認申請の許可が下りていない条件付き売地の段階で購入ができれば、建物の間取りの変更行うことができます。(期間は3か月以内)
建築条件付き売地を購入するデメリット3選
建売業者の条件付き売地は間取りは選べても仕様は変更できない。(完全注文じゃない)
建売業者の建築条件付き売地を購入する場合は、注文住宅ではなく、自由設計です。
自由設計とはプランは選べるけど、キッチンなどの設備・建物の仕様を選ぶことはできません。
また吹き抜け・トップライト・ルーフバルコニー・ロフト追加など通常の間取りでは使用しないものをお願いすると当然オプション費用が掛かります。
現実問題として、多くの建売業者は建築プランを3パターン程度提示し、その3パターンの中で間取りを選んでもらい微調整するやり方がオーソドックスです。
素人である買主が1から設計するよりも、生活導線・構造面では失敗しませんが、完全注文住宅でないということです。
建売プランに比べて1割~2割ほど割高になる。
建売住宅の場合、プラン・設計をまとめて行うため、費用・時間のコストカットが図れます。だから安い。
しかし建築条件付き売地は建築会社の仕様で建築するものの1人1人の家のプラン・拘りは違うため、建売住宅の費用にプラスして設計費用や地盤改良費用を別途請求される場合があります。
建売住宅のプランではロフトなどの追加オプションは当初の販売価格に入っているのに、建築条件付き売地で購入するとロフト代に別途オプション工事が付いたりするので、結果1割~2割ほど高くなってしまうのです。
諸経費がわかりずらいというのも、建築条件付き売地のデメリットです。
一定の期間内にプランを決定させなければならない。時間が足りない(3か月以内)
建築条件付き売地は、土地と建物を同時に契約するわけではなく、土地を先に契約してから3か月以内に条件に記載されているハウスメーカーと建物の建築契約(請負契約書)をかわします。
請負契約書を交わす間の3か月までにハウスメーカーとの契約ができなければ、白紙解約になるのが一般的ですが、日々の仕事が忙しかったりするとなかなか家の打ち合わせができなかったりしますよね。
3か月以内にプランを決めなければいけないので、時間が足りず、慌てて決めてしまうケースも少なくありません。
また業者よっては3か月も待たずに、プランの打ち合わせは3回までと決めてしまっている業者もあります。
業者の中では土地・建物を一括契約を行う会社もあります。(土地契約までにプランを決めて請負契約書を交わす)
良くプランを決めてから契約したいと思っている人は、しっかり流れを確認してから契約するようにしましょう。
まとめ
☑建築条件付き売地が建売業者の土地に多い理由は、建築確認申請が下りるまでの期間に販売したいからという法律の抜け道。(建築会社の都合でできたもの)
☑建築条件付き売地のメリットは「つなぎ融資を使用しなくてよい」「税金がかからない」「好条件の土地を割安で購入出来る」「自由にプランを設計ができる。」の4つ
☑建築条件付き売地のデメリットは「完全自由ではない(仕様変更はNG)」「総額が1割~2割高い・諸経費がわかりずらい」「3か月以内にプランを決めないといけない。時間的制約がある」の3つ
建築条件付き売地で得する人は、立地が絶対条件であり、事情があり間取りを変えたい人(仕様はそこまで気にしない人)
建築条件付き売地で損する人は、建物にものすごく拘りがある人(設備を選びたい人)、予算がない人
以上。
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建築条件付き売地は自由度で言うと、建売<建築条件付き売地<注文住宅になります。
2018年以降の時代は、おそらく建売住宅が減り、売り建てである条件付き売地で家を建てる動きがますます加速していくでしょう。
現に大手パワービルダーも分譲地の一部を条件付き売地で販売する数も増えてきております。