不動産投資を行っているサラリーマン大家や専業大家で一番困るのが空室期間が長期化することではないのでしょうか?
私も不動産投資家の端くれですが、1ヶ月以上の空室があったときは、仕事に集中できないぐらい憂鬱になったし、何が原因なんだろうってずっと考えておりました。
私の場合は、設備が古すぎたと思い、トイレをウォシュレットに変えたところ、女性のお客様の入居が即決まりました。
この例はたまたまだったと思いますが、必ずしも空室が長引くのには原因があります。
そしてたまたまブックオフで本せどりをやっていたときに、不動産投資の空室について素晴らしい本を発見!
私含めてこの本に書いてあることができていないな・・と反省した次第です。
だから空室期間が1ヶ月以上長引いたのかと・・・サラリーマン大家さんには必見の本です。
今回は空室が多い物件の共通点と空室長期化を防ぐ簡単にできる対策をご紹介させていただきます。(この本を読んだアウトプットが中心)
目次
空室が多い物件の5つの共通点!原因と対策
インターネットの検索になかなか引っかからない(アピール不足)
空室になった際に、自分の物件がネットに掲載されているのを確認しているでしょうか?(何ページ目に出てくるかを含め)
サラリーマン大家の方は比較的属性も良く、すでに持ち家の方が実践されている場合が多いです。そのため借主が賃貸を探すSUUMO・アットホーム・ホームズなどのプラットホームを使ったことがない人が大半です。
SUUMOの検索画面を見てみると、このように各設備・物件の特徴にチェックする項目があります。
チェック項目に該当すれば該当するほど自分の物件がヒットし、その分賃貸物件を探している人の目に付くようになります。
チェック項目を意識して、リフォームや物件の強みを把握しておりますか?
そもそも空室が長期化している物件はインターネットの検索になかなかヒットしない物件って事が多いです。
お客様から見られない物件はないのと同然なので、空室が長期化するも当たり前。
実際に自分の物件をSUUMOなどで検索してみましょう。
検索した結果、自分でも検索に時間がかかるのであれば、お客様が見ていない可能性が非常に高いです。
対策として、SUUMO・アットホーム・ホームズの検索時のチェック項目をチェックし、そのチェック項目に該当する強みを作るのが良いでしょう。
エアコン設置・動画・間取り図を入れるなどは比較的簡単に行えます。
(少額でも始められるリフォームはチェック項目を参考にしましょう。このチェック項目はSUUMOを利用する多くの人が求めていることだからです。)
大家が物件の強みを理解していない(仲介会社への営業不足)
大家自体が物件の強みを理解していないパターンです。コレでは物件が決まるものも決まりません。
仲介会社は強みが多い物件・目立つを中心に案内します。
強みを生かした営業トークで案内もしやすい上、すぐに決まって仲介手数料が貰えるからです。
強みがはっきりしない。弱みが目立つ物件をあなたが不動産営業マンの立場だったら案内しますか?
きっと案内はしないはずです。案内しても当て物(決物の前に見せる物件の事)として案内するでしょう。
もし物件の強みがなければ、無理矢理でも1個は作ってみてはどうでしょうか?
物件の強みを作る上で参考になるのは、SUUMO・ホームズ・アットホームなどのこだわり検索です。
SUUMOなどのプラットホームで紹介されているので、すでにニーズがある特徴・強みだと言うことが保証されております。
自分が勝手に思った強み(バルコニーに屋根をつける)などが必要だと思っても、探している入居者から必要ない・検索されないのであればリフォーム代が無駄になります。
ここではSUUMOでご紹介しますが、低額でほかの物件と差別化できるポイントを作ります。
例えば、宅配ボックスなどは良い例ですよね。5万~10万円程度で設置可能です。
アマゾンなどのネット経由で買い物する人が増えてきておりますので、留守の時でも受け取れる宅配ボックスは非常に便利です。
宅配ボックスをつけている賃貸住宅はまだ少ないので、少額で差別化を図るには良いかもしれません。
差別化をしっかり行えば良いかというと、あと一歩足りません。大切なのは案内してくれる仲介会社への周知です。
大家で物件の強みを知っているのは当たり前です。物件をお客様に案内してくれる仲介会社からお客様へを物件の強みを言ってもらって初めて物件が決まるようになります。
できる営業マンは、案内前に必ず現地確認(下見)を行いますが、できない営業マン・また急遽案内する場合は販売図面だけで強みを判断しなければなりません。
すべての営業マンに強みを知ってもらうために一番簡単な方法は、室内各部屋にラミネートなどで作った自作の強みが書いてある説明をおいておくことです。
これをみた営業マンは、初めて室内に入ったとしてもお客様に物件の強みを確実に知ってもらえるようになります。
私も不動産営業時代(売主)の時、完成しても売れない物件には、すべての部屋に物件の強みのラミネートを置いておりました。
その結果若干問い合わせが増えたので是非オススメです。
共用部が汚い(チラシがポストにたまっていたり、放置自転車があったりしませんか?)
外観が汚い・共用部のポストにチラシがたまっていたり、大家の注意書きがデカデカと書いてあると、入居されるお客様は・・・
「ここの住人はいい加減なのかな?」
「ここの大家は清掃を依頼しているのか?」
「ここの大家厳しそう・・住むやめておこう」
ってなりかねません。
実際に不動産営業マンがマンションを買い取りする際も、まず最初に見るのが共用部・チラシがたまっていたりするかなどをチェックします。(管理状態が一発で分かるため)
物件の第一印象は瞬間的に判断され、その割合は共用部(外観)が55%、室内(話し方)が38%、条件(話の内容)が7%です。
出典:6000件の退去立ち会いから分かった空室対策はお金よりアイデアです。
共用部だけで半分以上(55%)が決まってしまいます。逆に共用部分が綺麗で良い印象を持たれるとそれだけで物件が決まる可能性だってあるのです。
管理会社に任せっぱなしではなく、自分の物件なので自分で見るようにしましょう。
私も4ヶ月に1回ぐらい見てます。もっと見るべきだけど・・
清掃や管理がずさんだったら管理会社を変える必要があります。
内見に印象が残らない(どれも同じに見えている)
多くの不動産営業マンは、1人のお客様を決めるために3件~多い場合で10件ほど物件を見せます。
物件を案内された方だったら分かるかもしれませんが、同じような物件を案内されていると、最初に案内された物件の印象って思い出さないって事があるのではないのでしょうか?
食べ物にしてみれば、ラーメン屋ばっかり回っているイメージです。1つ1つのラーメンはおいしいが、ラーメン食べすぎて印象が残っていない・・・そんな感じです。
ここで1つのラーメンにならないような工夫が必要です。それが上記でお伝えしたほかの物件には滅多にない強みを作ると言うことです。
満室経営を行っている多くの方が取り入れているのが、アクセントクロス・ユニットバス、キッチンのフィルム加工です。
ユニットバス、キッチンのフィルムを張るだけで、古さが目立たなくなるようになります。
アクセントクロスの場合は、日当たりが悪い北道路の物件などは明るめのアクセントクロス、日当たりの良い物件は色が濃いアクセントクロスを使用するのがオススメ。
一部の建売住宅(デザイナーズ住宅)もアクセントクロスを上手に取り入れて、立地は良くないのに売れている物件が多くあります。(あれが不思議でしょうがない・・)
募集要項が厳しい。(敷金・礼金を取っている。)言い回しを変えてみては?
敷金礼金は、入居者の質を上げる上での足きりにはなる物の、それが原因で入居者の間口を狭めているのもまた事実。
①敷金2ヶ月・実費償却
②補修費2ヶ月・故意過失については別途
③敷金2ヶ月・償却100%
実際には、この3つの条件であれば、初期費用として入居者さんが負担する費用は同じです。私なら②を選択します。その理由が「敷金0」と歌え、入居者さんにとって分かりやすく退去時にもトラブルが少ないからです。
出典:6000件の退去立ち会いから分かった空室対策はお金よりアイデアです。
私がこの本で一番素晴らしいなと思った部分です。
不動産投資家であればこの3つの言葉の意味は分かるのですが、借りてからしてみれば不動産の素人です。わかりにくい償却や敷金と言葉を使うよりも、敷金0で補修費をくださいねっていうスタンスの方が入居者さんとしても安心ですよね。
しかもちゃっかり敷金0という広告も打てるのもポイント!実質同じ負担なのに、敷金0にすることで初期費用が少ないと探している方に思わせる見事な言葉使いです。
近隣施設が工場や飲食店だった場合は要注意!室内の対策
近隣施設が飲食店だったりすると、その匂いのせいで窓が開けられなかったり、洗濯物が干せなかったりします。これは借主からしてみれば相当なストレスです。
飲食店が近くにある場合、窓を開けなくても室内で洗濯ができるように、風呂場に換気扇を着けたり、室内干しができるホスクリーンを取り付ける方法があります。
換気扇の相場は3万~35万と設置する換気扇によってピンからキリまでありますが、室内干し出あれば2万~3万程度と取り付けが可能です。
室内干しのオススメは川口技研の室内用ホスクリーンがオススメです。壁に簡単に取り付けができる上、いつでも取り外しが可能のため、お客さんが来たときでもいつでも取り外せます。
もしホスクリーンをDIYで取り付ける場合は下記の動画が非常に参考になります。
まとめ
☑空室が長期化する物件の多くは、大家さん自身が自分の物件の強みを理解していないパターンが多い。強みがなければSUUMOなどを参考に物件に強みを作り、仲介会社へ周知するのが空室対策の第一歩
☑空室が長期化する共通点は5つ!「ネットの検索に引っかからない」「物件の強みを知らない・ない」「共用部が汚い」「案内時・内見時にどれも同じに見える物件」「敷金礼金で間口を狭くしている」
☑上記の5つの対策はどれも簡単に行えるので、管理会社に任せっぱなしにするのではなく、自分が経営者のつもりで対策を行うべき。
空室が長期化する共通点は決して意外なところではなく、当たり前のことができていない物件に陥りやすいのかなとこの本を読んで再確認しました。
その当たり前のことが非常に難しいことなのですが、自分への戒めだと思って再度意識していきます。
空室対策で悩んでいる方は、家賃を下げる前にこの当たり前の5つのことを実践してみたらいかがでしょうか?
それからでも家賃を下げるのは遅くないです。
元不動産営業マンの私からみて、空室が長期化している物件は、不動産売買の売れない物件の共通点と非常に似ているなと思いました。
空室で経営が成り立たないアパートを買い取りする際は、この本に載っているような物件でしたね。
空室対策を行うと言うことは、不動産売却の資産維持・出口戦略にもなりますので、空室が長期化している物件があったら要対策ですよ。