突然ですが、住宅購入の時に頭金2割以上必要で、頭金がないと言って住宅購入を諦めていたりしませんか?
住宅ローンで頭金2割必要という時代は終わりました。
結論から言うと、持っている頭金を使わずに繰上げ返済した方が得です。
バブル時代は、住宅ローンの金利が高すぎたためフルローンで組むことができませんでした。
そのため物件価格の2割は自己資金で用意する必要がありましたが、現在は当時の金利と比べて1/5程度の為、総額も安くなり、頭金無しでも住宅が購入できる時代になったのです。
頭金2割必要というのは、20年前の理論ですから今の時代には全く当てはまりません。むしろ今はフルローンで組んで持っている頭金を繰り上げ返済に使った方がお得なのです。
今回は頭金無しの方が、住宅ローンの総額が安くなる理由について解説していきます。
目次
頭金多めVS繰上げ返済の総支払額比較
3,000万円の物件に対して、お互いの条件が物件充当価格を500万円(頭金)を用意していたとします。
3,000万の物件に500万円を充当した2,500万円(頭金多め)と、3,000万円で後に10年後に500万円を繰上げ返済した際の費用負担を比べてみます。(繰上げ返済)
ここでの住宅ローン計算は35年の年0.6%の金利で借り入れを起こしたものとします。
頭金多めの総支払額
頭金多めのローンの借入れ額は2,500万円です。
2,500万円を年0.6%で借入れする場合は月66,007円で、ローン総額が27,723,034円になり、利息は2,723,034円になります。
頭金500万円をローン総額に足し算すると32,723,034円が住宅購入時に使用した総額になりますね。
(*これは一度も繰上げ返済せず、金利上昇をしていないものとします。)
繰上げ返済の総支払額返済額
頭金無しの10年後500万円の繰上げ返済を行う場合のローン借入額は3,000万円です。
3,000万円を年0.6%で借入れする場合は月79,208円になり、繰上げ返済を行わなければローン総額33,267,640円と利息が3,267,640円になる為、頭金多めに比べて利息が54万円高くなります。
ここで10年後に頭金多めと同様の500万円の繰上げ返済を行うと、返済回数が420回→348回になり、総支払額が32,561,071円になり、利息が2,561,071円と繰上げ返済無しに比べて利息軽減が70万円以上に安くなります。
頭金多めの総額と比較しても、32,723,034円(頭金多めの総額)ー32,561,071円(繰り上げ返済時)=161,963円分繰上げ返済の方が安くなります。
約16万円も安くなる上、返済期間も72回(6年)の短くなるので、同じ頭金を持っているのであれば、絶対に繰上げ返済に回した方が得なんです。
「頭金2割ないとダメだよ」っていう訳のわからない20年前の理論を信じて借入れすると、同じお金を持っているのに知らない間に期間・返済額を損していることになるのです。
多くの不動産営業マンはローンが通りやすい、銀行員は多く利息が取れるからこのことを言わないのですよ。
この計算は繰上げ返済の期間短縮型で返済したものとしております。
返済額軽減型だと、頭金多めの方が安くなりますのでご注意ください。
頭金多めより繰上げ返済の方が得する理由3選
返済期間が短くなる(利息軽減効果が大きい)
同じ自己資金を持っており、先に頭金で借入額を減らした住宅ローンよりも、10年後に繰上げ返済を行った方が総額が安い理由は返済期間にあります。
上記の計算では10年後に500万円を繰上げ返済を行う事で、6年分の期間短縮ができました。そのため年0.6%の金利が6回分減った事になるのです。(70万以上)
利息は元金(借入額)に応じて費用が高くなりますが、一番利息を減らす上で効果的なのは、利息の回数を減らす返済期間を短くすることが最も総額を減らすコツになるのです。
ここでわかりやすく同じ条件で20年ローンと35年ローンの総額を比較してみます。
3,000万円を35年の借入れ年数で年0.6%で借入れする場合は月79,208円になり、ローン総額33,267,640円と利息が3,267,640円
3,000万円を20年の借入れ年数で年0.6%で借入れする場合は月132,681円になり、ローン総額31,843,481円と利息が1,843,481円
期間を15年短くしただけで、利息が約140万円も安くなります。月々は高いけど・・
借入額を少なくするよりも返済期限を短くした方が利息軽減効果は高いことを知って欲しいと思います。
住宅ローン控除が頭金多めよりも多く使える。
頭金多めと頭金無し(10年後繰上げ返済)では、10年後繰り上げ返済時の方がローン控除で還付される金額が多いことを忘れてはいけません。
住宅ローン控除は、毎年ローンの残高の1%を所得税+住民税から返金されます。
最初に頭金を入れた2,500万円で住宅ローン控除が受け取れる額が約213.8万円ですが、10年後に繰上げ返済を行う3,000万円の借り入れの場合は約257.3万円の還付額があります。(ローン残高1万未満切り捨ての場合)
その差なんと約44万円も頭金無しの方が多めに貰えるのです。
なぜなら、単純にローン残高に対して金利が年0.6%に対し、住宅ローン控除は年1%貰えるので、0.4%が利益になるのです。それであれば残高が多い方が多く貰えるのも当然ですよ。
先ほどの16万円にプラスすると総額で約60万円も変わってくるのです。昔の理論、頭金多めを実行しただけで60万円も損するって勿体ないですよね。
団体信用生命保険の保証額が高い
団体信用生命保険は、ローンの返済者が亡くなったらローンの残高が0円になる保険です。
仮に頭金を払ってすぐになくなったら団体信用生命保険は2,500万円までしか使用できませんが、頭金を払わずにすぐになくなったら3,000万円まで使用できます。
手元に残っているお金で比較すると、その差1,000万円も得することになります。(2500万円-(3000万+500万))
500万円の頭金を使用しないだけで、生命保険を500万円分多めに加入することができるのです。
通常の定期保険で500万円分をプラスして加入すると月1,500円程度取られてしまいますが、借入額を多めにして団信に加入したとしても保険料は0円です。(金利に含まれている)
500万円多めに加入していることで、現在加入している生命保険の見直しして、月々の支払い額を抑えるのも良し、そのまま使用していても保険金が多めにもら得ます。
住宅ローンも生命保険みたいな物です。返済ができる額までフルローンで借り入れした方がお得なのです。
借入時に大量の自己資金を持っていなくても良い!ちゃんと繰上げ返済を行えばそれだけで安くなる。
頭金多めの人は、事前にお金を持っていないといけないので、頭金多めをとれる方はかなり少ないです。
10年後に繰上げ返済を行う方は、仮に借入時に500万円を持っていなくても、10年後の繰り上げ返済時までに500万を貯めておけば、上記のような資金計画にすることができる!つまり再現性が高い資金計画になります。
現実ローンよりも高い家賃を払って、住宅購入時に500万円を貯めるのは非常に難しいです。
それであれば、フルローンで家賃よりも安い物件を購入し、10年間で500万円を貯めた方がより貯めやすいかと・・単純に家賃より安くなった分を貯蓄に回すなど
もし家が本当に欲しいのに、頭金が貯められないと言って住宅購入を諦めているのであれば、それは勿体ないです。
このクッソ低い変動金利でさっさと家賃より安い物件を購入して、資産になるための返済を行っていきましょう。家賃を払うのはかなり無駄です。
まとめ
☑同じ自己資金を持っているのであれば、最初に頭金を払うよりも後から繰上げ返済を行った方が得!
☑頭金多めより繰上げ返済の方が得な理由は、「返済期間が短くなる・住宅ローン控除の額・団信の保険金が多い」の3つ
☑繰り上げ返済による返済方法は、借入時にお金を持っていなくてもよい、10年後までに貯めておけばいいので再現性が高い返済方法
この返済方法の理論は、頭金多めによる特別金利が0.25%以上の優遇金利が貰えない限り、10年後の繰上げ返済の方が総額が安くなります。
同じ自己資金を使うのであれば、返済期間を短くし、税金優遇措置を上手に使って総額を安くしましょう。
よって・・
頭金多めよりも繰り上げ返済の方が得!
不用意に頭金を使うのは辞めましょう。