宅建士を取る多くの理由は、重要事項説明を読む為に取得されている不動産関連の方が多いと思います。
いざ宅建士に合格してみたものの、重説の説明の仕方って教わりましたか?
登録実務講習修了者の方であれば多少は教わったかもしれませんが、いきなり宅建士を登録できる人っていうのは、教わらずにぶっつけ本番の方が多いと思います。
私は2016年に宅建士を取得しましたが、説明の仕方なんてもちろん教わりません(笑)今まで見てきただろって感じです。
それはもう初めて重要事項説明を読んだときはかなり緊張しましたし、今思うとものすごく下手な重説の説明の仕方だったなと・・・・(今ではほとんど緊張しません。)
ほかの宅建士取り立ての取引士は、恐らく私と同じでぶっつけ本番で重説を説明する会社も多いと思いますし、登録実務講習を受けたところで実際にお客様を目の前に説明しているわけではないので、状況が違いすぎます。
そこで今回は私の経験談にはなりますが、初めてでも重要事項説明を上手に説明できる5つのコツをご紹介させていただきます。ぜひ参考にしてみてください。
初めてでも大丈夫!重説の説明の仕方を行うための5つのコツ
作成した重要事項説明を一通り声に出して読んでみよう。声に出して練習するのはものすごく大切
当たり前の事なのですが、念のためです。
自ら作成した(事務員さん)重要事項説明書ができたら声に出して読みましょう。声に出さずに読もうとする方が多いのですが、練習の効果が圧倒的に変わります。
声に出して読んだ方がいいのです。
声を出して読む勉強法と脳の仕組み
音読をしているときの脳の働きのメカニズムを見て行きましょう。まず、列になっている文字を読みます。列になっていることを認識するには、空間の中に(文字)列があるという風に見ているものです。
その列を注意深く観察しなければ行けません。例えて言えば、空間に浮かぶ一本の紐を正確に認識するような物です。日本語であれば次に、漢字とひらがなをそれぞれ捉えて行きます。これを音声にするのですが、その漢字、ひらがながどんな読み方をするのか、脳は以下のよう認識します。
文字知識=その文字に関する知識
音韻知識=その文字をどう発音するか
意味知識=その文字はどんな意味か
文法知識=その文章の文法上の知識
…などを総動員して確認します。さらに文字によって知らないものもあるケースがあります。そう言う場合は辞書を引いたり、他人に聞いたり、あるいは推測する作業を行います。
声に出して読むことで、実際に読み間違えたりつっかえたりすると、間違えたところに意識がいく為、読み間違えなどの失敗点を改善するために調べようとしますが、心の中で読もうとすると、流し読みになりがちになり、本番でいざ声に出して読んでみたら、読み間違えまくったり、場合によっては読めない漢字が出てきたせいで読むのが止まってしまう羽目に・・・
重要事項説明書に出てくる漢字には難しい漢字もよく出てきますので、読めない字があったら事前に確認しておくことが重要です。
練習と聞くと当たり前の事なんですが、一番重要なんです。
緊張をやらわげるコツ。初めて重要事項説明を読む旨を最初に伝える。おどおどせずに相手は中学生だと思って堂々と説明しよう。
私が最初に重要事項説明を読む前にものすごく緊張したので、最初にこう言いました。
「実はやっとの思いで宅建を取ることができまして・・・実務は長いのですが、初めて重要事項説明を読むので効きづらいところもあるかと思いますが、何卒宜しくお願い致します。」と伝えました。
変に経験者だからって粋がって失敗する方が緊張もするし、余計にダサいです。
人間誰しも初めてはありますから、最初に初めてですって伝えたほうが、お客様も「まあ・・しょうがないか」という同情を誘えます。
ここでのポイントは、実務経験はあるということだけはしっかり使えるということです。
説明は下手だけど、わからないことがあれば聞いてくださいねスダンスです。未経験アピールはやめましょう。
宅建士に合格している、実務経験が2年以上あると認められているわけですから、お客様にびくびくせずに、中学生に教えてあげているという気持ちで堂々と説明しましょう。
不動産という高い買い物をするのに、不動産はほとんど未経験で、重説はやったことはないのダブルパンチだとお客様も不安になります。だったら初めから上司に説明させるか、上司同席で説明した方がいいです。
買主・売主をそのまま棒読みで読まない。必ずお客様名・売主名に言い換えて読む
いろんな方の重説聞いていると、売主・買主で読んでいる人と、お客様名と売主名を読み替えて読んでいる人ってかなりの実力差があると思っております。
要はあるものを棒読みで読んでいるか、応用を聞かせて重説を読んでいるかの姿勢の違いが一番出るからです。
我々不動産営業マンは売主・買主という言葉を普段聞きなれているので、問題なく理解できますが、初めて不動産を購入されるお客様からしてみれば、売主・買主だけだとちょっとわかりずらいと思うですよ。
特に最初の売主の表示で取引形態を説明しているときなんて、お客様は結構わからなそうな顔をしております。
同じ重要事項説明を読むとしても、売主・買主を読み替えるだけで、重要事項説明を読む側の気持ちの余裕がわかってしまいますので、売主・買主は読み替えるようにしましょう。
簡単ですよね?
難しい内容はたとえ話を交えて説明するとお客様の理解度が増す。
重要事項説明は難しい不動産用語・建築用語が沢山あります。普段聞きなれない言葉ばかりです。
あなたも初めて不動産業界に入社したときのことを思い出してください。全く分からなかったでしょこれらの言葉って・・・
でもなぜか、仕事に慣れてきて、言葉の意味が当たり前のようにわかるようになると、よく理解できていないお客様をすっ飛ばして、重説を棒読みで説明してしまう人が多いですよね・・・これベテランに多いかも。(だから売れないんだなって思ってます。)
重要事項説明って売主・買主間でトラブルになったときに売主を守るための書類なので、ここはお客様に理解できるようにたとえ話を入れて説明することをおすすめします。
例えば契約違反・解除の項目の「手付解除・契約違反による解除・天災による解除・譲渡承諾による解除・ローン解除」はたとえ話を交えながらしっかり説明すべき。
要は一番揉めるところをしっかり説明しましょうということです。
上手な説明の仕方のポイントは良い点は控えめな説明、悪い事・契約解除などは重点的に説明する事です。
一度説明した内容・物件に関係ないことは説明せずに割愛しよう。人間の集中力は最大でも40分しか持たない。
重要事項説明を説明していると、あれもこれも説明しないといけないと思ってしまい、つい物件に関係ないことを豆知識として話がちになりやすいのですがやめましょう。☜私も含めて
人間の集中力は医学的に長くても40分しか持たないといわれております。
お客様が集中している間に、重説の重要ポイントをお伝えして理解してもらうようにしましょう。
また余計なことを言ってしまうと、本当に説明したいことを覚えてもらえず、どうでもいい豆知識を覚えてたりします。
覚えてくれた豆知識が原因で自分の首を絞めてしまうことだってあるんですよね。☜あの時このように言ってましたよね!とか・・・こうなると後の対応がめんどくさいです。
購入する人の性格によって、重説の文言の内容・重説の説明の仕方を変えていかないとトラブルになるから気を付けよう。
重要事項説明書は誰でも一緒だと思ったら大間違いです。人には得意不得意があり、理解度も違えば、性格も違いますし、購入する住宅に何を求めているのかも違います。
このことを理解せずにいつも同じ重要事項説明書を作っていると、いつか必ずトラブルを起こします。
なぜなら人によって重要な説明というのは変わってきます。ここで1つ例にだして解説します。
※幹線道路沿いの物件を購入。※子供が喘息で排気ガスを気にしている人と、トラックの運転手で幹線道路を使う人を比較。
この2組が同じ道路に面した建売住宅を購入したときの重要事項説明書の特約に「本物件は幹線道路に接しており、自動車通行による臭気・騒音・振動が生じる可能性がございます。」を入れなかったとします。
トラックの運転手の方は幹線道路ということを知っていていれば、車の通行量が多く、振動があることを用意に理解することが可能だということは容易に想像ができますよね?➨排気ガスに問題がなければトラブルになることはありません。
一方で、子供が喘息のご家族の場合、幹線道路と聞いていても自動車の通行量がどれくらいなのかを理解できずに購入している可能性が高いです。実際に引き渡し後、予想通り車の排気ガスが多くは排出されている場合・・・
私聞いてない!!ってなるわけです。➨契約解除になる可能性も・・
以下の場合、文言を入れずに契約してしまったわけですから、告知義務違反として契約の解除になる可能性があります。
たしか裁判でこの手の判例があったはずです。
こうならないように、購入者の性格・住宅購入の条件を見ていきながら重要事項説明書を作らないと、契約後にトラブルに巻き込まれます。
いくら口頭で説明しても聞いていないといわれるのが落ちなので、重説を作るときは気をつけましょう。
まとめ
☑重要事項説明書の上手な説明の仕方のコツは「音読で練習する」「最初に初めて読むとお客様に伝える事」「買主・売主を読み替える」「たとえ話を多用する」「余計なことを言わない」の5つ!
☑重説で説明するときは、特に契約内容の項目はしっかり説明する事「手付解除・契約違反による解除・天災による解除・譲渡承諾による解除・ローン解除」はたとえ話を交えながらしっかり説明すべき。
☑重要事項説明書を作るときは、買主の性格・住宅購入で求めているところ、理解度を意識して作ること、いつも同じ重説を使用しているとトラブルになるから気をつけるべき。
宅建士に合格している以上知識はあることは間違えありません。とにかく緊張を和らげる事を重視できれば、知識はあるので上手に重説ができるんです。