これから建売住宅の契約する方や引き渡しを受ける方が注意して頂きたいのは、引き渡しまでにハウスクリーニングをしてくれるかのポイントです。
え!引き渡しまでにきれいにしてくれるのは当たり前なんじゃないのと思うと思いますが、実際は違います。
多くの建売業者は完成した段階で1度ハウスクリーニングを入れた後は、一切ハウスクリーニングを行わないのが不動産業界の常識です。
その結果、納得ができない多くの建売住宅を購入した人が、ハウスクリーニングの問題で知恵袋などで質問スレが上がっているぐらいです。
世間一般の人が当たり前だと思うことが通用しないのが不動産業界の悪いところでもあります。しかし私含めて不動産屋なりの言い分もあります。
今回は不動産屋が必ず行う言い訳の理由も含めて、ハウスクリーニングを確実に行ってもらえる方法をご紹介させていただきます。
目次
不動産屋が必ず行う言い訳・・現況渡しで契約をしている。
私も使ったことがある言い訳ですが、建売住宅を契約する際に記載されている契約書と重要事項説明書の特記事項にほとんどの確率で記載されているのが「現況渡し」という文言です。
現況渡しというのは、あなたが契約した住宅をそのままの状態で引き渡しを意味しますので、文言上でいうと、掃除はおろか、傷・汚れなどの補修もすることなく引き渡しをしますよって意味に該当します。
*実際には傷や汚れの補修は、引渡し前に傷チェックをお客様と一緒に行うので補修はしますが、掃除をしないで引き渡しをしている建売業者は多いです。
これがもし、私たち不動産屋も買主の立場で購入する場合は、現況渡しという文言以外に契約書に盛り込みます。
例えば不動産屋が購入した家を解体する際に、家の荷物があったら邪魔ですよね?
こういう場合は、「買主の責により、室内の動産物(家具や動かせる小物)などを引き渡しまでに撤去するものとします。」などの文言を追記するのです。
つまり購入する際に、ハウスクリーニングを行うものとするなどの文言を入れない限りは、業者を入れたハウスクリーニングをやらないというのが一般的な不動産屋の姿勢だと思ってください。
私の立場でも再クリーニングは文言が入っていない限りお客さんに断っております。
費用が掛かることから営業マンが再クリーニングを行っていいかの権限を持っていない。(心ではわかっていてもクリーニングができないジレンマがある。)
お客様にきれいな状態で引き渡しをして喜んでもらいたいのは、売主も同じ気持ちだと思います。
感謝されるのはうれしいですが、クレームはもらいたくないですからね。
ただ業者を入れた再クリーニングをお客様から依頼されたとしても、費用が3万~5万円かかることから、その営業マンが即決していいですとも言えないのが現状です。
理由は上記の「原則現況渡し」が関係してきます。
現況渡しなのになぜ、売主がハウスクリーニング代を負担しなければならないのか?というところです。
誰だってお金は使いたくないですよね。言い方悪いですが、利益が確定したお客様に対してこれ以上費用を使いたくないというのが本音です。
その結果、担当営業マンが清掃することになります。
担当営業マンが清掃がしっかり掃除してくれるのであればいいのですが、大手の建売業者は1日100棟異常完成している物件の販売手続きで忙しいので、約束を守ってくれない場合があります。
引き渡しが終わっているのに、ハウスクリーニングをしてくれないのもそのせいです。
売主の担当営業マンは選べないですからね・・・・これには当たり外れがあります。
業者を入れたハウスクリーニングを行うことを契約条件にすること
不動産屋は契約条文を細かく設定しないと動いてくれないところがあります。
つまり口頭ベースの約束は、絶対にやってくれないと思っていてください。そのほうがいいです。
あなたが契約する前に物件を見ているはずですから、その物件が汚いなと思ったら、契約時に契約書・重説の特記事項にハウスクリーニングをしてもらうための文言を盛り込むように仲介会社にお願いしましょう。
契約条件になれば売主は無視できません。
その場合は3万~5万程度負担になるなと考えますが、これくらいの費用負担であればほぼ絶対通ります。
書面に残しておけばトラブル防止になるし、もし売主がハウスクリーニングをしてくれなかった場合は、契約不履行として引き渡しを拒否すればいいだけです。
この場合の引き渡し拒否は正当理由になりますので、仮に裁判になったとしても買主が有利になります。
文言に入れていない場合でも再クリーニングを入れてほしい場合は、仲介会社経由で相談すること!
多くの物件購入者は、不動産仲介業者を介して建売住宅を購入しているはずです。
売主が再クリーニングをしてくれないと思った場合は、直接売主にいうのではなく、仲介会社経由でクレームをつけてください。
これには2つ理由があります。
1つ目の理由は、買主も高い仲介手数料を支払って購入しておりますが、売主もまた仲介会社に費用を支払って、販売手続きを依頼しております。
売主に直接文句を言ったとしても売主が対応してくれないケースもあります。「それは契約の内容にありません。」や仲介会社さんに販売手続きを依頼しているなどです。
そんな時は、手数料を支払っている仲介会社に相談すると、手数料を支払ってくれたあなたを適当にあしらうことはできませんので、仲介会社経由から売主にお願いをしてくれるのです。
その結果ハウスクリーニング費用を仲介会社と売主で折半。もしくは売主負担でハウスクリーニングを行ってくれる確率が上がります。
*売主に断られた場合は、最悪仲介会社の費用負担でハウスクリーニングを行ってくれるケースもあります。だから仲介会社経由でお願いするのです。
2つ目の理由は、売主は買主よりも仲介会社を大切にしておりますので、その仲介会社との取引が多いほど、売主は精力的に対応します。
売主が買主よりも仲介会社を大切にする理由は、買主はリピーターになりませんが、仲介会社はリピーターになってくれます。
仲介会社に悪い対応をとると物件を売ってもらえなくなってしまいますので、私も仲介会社にはものすごく気を使っております。
よって多くの売主は、買主さんに直接言われるよりも、仲介会社経由でお願いされたほうが、重要度が高いと思う担当営業マンが多いため、その結果業者を入れたハウスクリーニングを行ってくれる可能性が高まります。
1つ目の文言に入れる方法よりは、確実にハウスクリーニングを行ってくれる確率は低いですが、それでも売主に直接クレームをつけるよりかは有効な手段です。
まとめ
・売主は契約書に入っていないことは、基本的に行わない。多くの業者は現況渡しで契約しているため、ハウスクリーニングを行ってくれる確率は0に近い
・確実にハウスクリーニングを行ってほしい場合は、あらかじめ契約書・重説の特記事項に業者によるハウスクリーニングを行う旨を記載しておくこと、文言に記載しておけば、万が一約束を破られた場合は、引き渡しを拒否すればよい。
・売主に直接クレームを言うのではなく、仲介会社経由でクレームをつけたほうが、売主は動いてくれる。理由は買主のあなたはリピーターにならないが、仲介会社はリピーターになるため、仲介会社経由のほうが重要だと思うため。
引渡し前の傷汚れのチェックの際に再クリーニングを入れてほしい旨を伝えても、再クリーニングはすでに入っておりますと言われてしまうケースがほとんどのため、一番いいのは契約する前にハウスクリーニングを行う旨を記載することでしょう。
ただ一般の知識がない方がそれを行うのにはハードルが高いと思われますので、現実的な方法は仲介会社経由でクレームをつけることが一番だと思います。
仮に売主がやらないと回答しても、最悪は仲介会社がハウスクリーニングを行ってくれるからです。もしハウスクリーニングを行ってくれないと嘆いているようでしたら、一度仲介会社にお願いをしてみてはいかがでしょうか?
きっとあなたの力になってくれるはずです。今回は売主の立場でハウスクリーニングについて記載させていただきましたがいかがだったでしょうか?
中には気分を悪くされた方がいるかもしれませんが、これは不動産業界と一般の考え方にズレがあるからです。そのずれを埋めるためにはあらかじめ不動産業界の考え方を知っていただくことで適切な行動をとってほしいと思い記事にしました。
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